ワンピースでは主に3役演じていますが、すぐに矢尾さんとわかったファンも多いみたいですね。
声優 矢尾一樹のプロフィール
名前:矢尾 一樹(やお かずき)
生年月日:1959年6月17日
年齢:61歳(2021年1月執筆現在)
出身地:石川県
血液型:A型
身長:177cm
所属:株式会社マック・ミック
声優 矢尾一樹の経歴
テレビなしの生活を送った幼少期
友達と秘密基地を作って外で遊ぶという活発な子どもだった矢尾さん、幼少期はテレビを観た記憶がないといいます。
父親が転勤族で住所が安定せず、入居先の間取りも狭いことが多かったことから家族会議で「テレビは置かないことにしよう」と決まったそうです。
テレビから色々な刺激を受ける時期にテレビがないというのは珍しいですね。
どのように声優への道を志したのでしょうか?
役者を志した経緯
母と姉がミュージカルが好きで良く一緒に観に行っていたという矢尾さん、中学生の時に観に行ったシェイクスピア作品に感銘を受けて役者の道を志すようになったそうです。
父親に「児童劇団に入りたい」と懇願するも公務員の息子に役者などさせられないと一蹴されてしまいます。
「どうしてもやりたければ高校を卒業してからにしなさい」と諭され、中学高校時代は部活に明け暮れていました。
中学生でシェイクスピアに感銘を受けるなんて成熟した観賞眼を持っていたんですね。
家族でよく舞台を観に行っていたということなので、家族から受けた影響はかなり強いのでしょう。
劇団摩天楼へ入団
高校を卒業した八尾さんは晴れて劇団へ入団し役者としての一歩を踏み出しました。
しかし、収入は多くなく、しばらくはアルバイトと並行して活動を行っていましたが、「このままではいけない」と思い立ち、劇団スタッフに相談したところプロダクションを紹介されテレビドラマや映画の仕事をするようになります。
劇団に入ったはいいものの、十分な稼ぎを得るには至らなかったようですね。
入って間もないのである意味当然かとは思いますが、そこで役者を諦めずに別のツテを探したのはよほど役者の仕事をしたかったからでしょう。
声優デビューでいきなり主役を演じる
新しいプロダクションでアニメのオーディションを受け、合格した矢尾さんはいきなりOVA(Original Video Animation)作品で主役に抜擢されます。
デビュー作・・・シュルギ・ナム役「Birth」(1984年)
個人的には矢尾一樹さんはオリジナルビデオアニメ『BIRTH』の主人公 シュルギ・ナムの声で初めて聴いて以来の大ファンなんですよ~(^-^)v#矢尾一樹生誕祭2017 #バース pic.twitter.com/QGRjt6gRIX
— 時星リウス@妄想自由人 (@TokiBosi20) June 16, 2017
主役に抜擢され、意気揚々と収録に臨んだ矢尾さんでしたが、初めてのことばかりで勝手がわからず初日はボロボロ。懇親会なども開かれたそうですが、その輪にも入れず人知れず涙したそうです。。
いきなり主役という重責を担ってしまい、プレッシャーも少なからずあったと思います。
どうやってこの難局を乗り越えたのでしょう?
戸田恵子と八奈見乗児に救われる
「Birth」の懇親会のときのことを矢尾さんはこう振り返ります。
隣の席に座っていたおじさんが慰めてくれたんですよ。「こんなのは慣れだから、場数を踏めば大丈夫だよ」って。優しいおじさんだなって、よくよく聞いてみると、何と『巨人の星』(1968年)の伴宙太だったという。 (引用:otocoto 2018年5月24日インタビューより)
伴宙太役の八奈見乗児さんに励まされたんですね。
戸田恵子さんに関しても、アフレコ中に右も左も分からない自分に対して丁寧に教えてもらい感謝していると述べています。
あのとき八奈見さんと戸田さんがいなかったら、俺はこの業界にいなかったですね。本当にありがたかったですよ。二人のおかげで明日の収録もがんばろうって思えました。……やっぱり何もできませんでしたけど(笑)。 (引用:otocoto 2018年5月24日インタビューより)
2人の先輩声優に助けてもらわなければ、声優矢尾一樹はここで終了していたかもしれないと思うと感謝してもしきれませんね。
声優 矢尾一樹の家族構成
女優の林なつきさんと2011年3月に入籍しています。(前妻は声優の富永みーなさん)
犬を2匹飼っていてtwitterなどにもよく投稿しています。
声優 矢尾一樹の代表作3選
個人的に印象が強い3作品を紹介します。
超獣機神ダンクーガ 藤原忍
(出典:middle-edge.jp)
1985年「超獣機神ダンクーガ」で藤原忍を演じました。
短気で自己中心的な性格であり、身勝手な行動をする藤原忍は絵に書いたような問題児。
但し戦闘機の操縦技術と射撃の腕は超一流、
有名なセリフとして
「やってやるぜ!!」
があり、これは矢尾さん自身もよく口にするセリフでパロディ的に他の作品でも使われることがあるようですね。
矢尾さんが得意とする熱血漢タイプの主人公で、矢尾さん以外の声では成立しないくらい適役です。
機動戦士ガンダムZZ ジュドー・アーシタ
(出典:gundam-hack.com)
「機動戦士ガンダムZZ」でジュドー・アーシタを演じています。
ジュドーもダンクーガの藤原忍に近いキャラで、熱血漢で向こう見ず、優れたパイロットでもありますが、仲間や家族(妹)思いの一面もあり、理不尽なことには屈せずに立ち向かう芯の強さも持っています。
矢尾さんは「機動戦士Zガンダム」でも主人公のカミーユ・ビダンのオーディションを受けていますが不採用となり、話数限定の脇役で出演しています。
ZZのジュドー役も一度は不採用となりますが、再考してもらい結果的に本採用となりました。
本人は当時の自分の演じについて不本意に思っているようで、「下手くそだった」と後悔しているそうです。
本人は下手だと言っていますが、私は当時観ていたものとしてジュドーのセリフに感情移入できました。
当時を下手だと振り帰れるのは自身の理想がもっと上にあり、上達もしたという証ですね。
ワンピース フランキー
(出典:animatetimes.com)
「ワンピース」でフランキーを演じています。
麦わらの一味、7人目の仲間であるフランキーはアロハシャツと海パンがトレードマークの人造人間(サイボーグ)です。ちなみに燃料はコーラ。
矢尾さんとワンピース作者「尾田栄一郎」さんは同作でジャンゴ役として矢尾さんが出演して以来の友人関係であり、矢尾さんは尾田さんを「栄一郎」と呼び捨てする数少ない声優だとか。
冒頭でも少し触れましたが、矢尾さんはワンピースで3キャラに声を当てています。
こんなことを尾田さんに聞けるのは矢尾さんだけですね。。。
尾田栄一郎さんが矢尾さんにどんなキャラがいいかを確認、フランキーのキャラクター案に矢尾さんのアイデアが反映されています。
結果的に矢尾さんのような男っぽい無骨キャラが出来上がりました。
矢尾さんはスランキーフランキーをこう評しています。
ほかの現場って作品に入るとき、意識してスイッチを入れることが多いのですが『ONE PIECE』にはそういう感覚がなく、スッと入れるんです。生活の一部みたい」と語ると「自分にとって生きていくうえでのモチベーションになっている。こんなに長く続いている作品は初めて。もう僕の一部だよね。 (引用:2019年 劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」インタビューより)
このコメントが全てですね。自分と瓜二つだからスイッチを入れなくてもスッと役に入ることが出来ると言っているようなものです。
正に矢尾さんのためのキャラクターと言っても過言ではないですね。
まとめ
声優の矢尾一樹さんを紹介させていただきました。
・家族に連れられて観に行ったミュージカルの影響で役者に興味を持ち、高校卒業を待って「劇団摩天楼」に入団しました。
・しかし、食べていくには心もとなく劇団スタッフにプロダクションを紹介されます。そこで得たOVAアニメの仕事でいきなり主役を獲得します。
・右も左も分からないまま収録に臨み、うまく出来ない悔しさから涙することもありました。しかし、先輩声優たちに励まされ今日まで声優を続けて偉大なベテラン声優になりました。
ワンピースでのフランキーとともに今後も矢尾さんの新しい役にも期待しましょう!