40代で今の仕事に満足できず、「転職したいな」と思っている人は意外と多いと思います。
しかし、そのほとんどの人が「40代ではもう厳しいだろう」と考え諦めている人でしょう。
本当にそうでしょうか?
もちろん20代、30代の人に比べたら40代の転職が難しいことは間違いないと思います。
でも、抑えるべきポイントを抑えておけば、決して不可能なことではないのではないでしょうか。
ここでは
- 40代の転職における現状
- 40代で転職に成功する人・失敗する人
を紹介していきます。
40代の転職における現状
40代転職者の割合
(出典:厚生労働省-2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況ー)
厚生労働省が発表した令和元年の転職入職率は40〜44歳男性で5.9%、45〜49歳男性で6.2%です。
40〜44歳女性は一般(正社員)で9.0%、45〜49歳女性は一般(正社員)で9.5%です。
男性女性とも30代以下の転職入職率を下回っており、40代の転職は厳しいことを表しています。
※転職入職率=各年代で労働者に対しての転職者の割合
40代転職者の転職理由
1位 | 会社の将来性が不安 | 21.4% |
2位 | 他にやりたい仕事がある | 15.8% |
3位 | 給与に不満がある | 8.5% |
4位 | 倒産/リストラ/契約期間の満了 | 6.4% |
5位 | 残業が多い/休日が少ない | 4.8% |
6位 | U・Iターンしたい | 4.1% |
7位 | 専門知識・技術力を習得したい | 3.8% |
8位 | 会社の評価方法に不満がある | 3.4% |
9位 | 業界の先行きが不安 | 3.3% |
10位 | 幅広い知識・経験を積みたい | 2.8% |
上記調査では「会社の将来性が不安」が21.4%で1位でした。
以下は2位の「他にやりたい仕事がある」以外は会社や仕事への不満が上位にランクインされているようです。
現在のこのコロナ禍ではそうした心配になるのも無理はないですよね。
でもこうした現状でも、転職して成功を手に入れている人はたくさんいます。
自分の道は自分で切り開くしかありません。
事前に、成功した人と失敗した人の事例などを研究しておけば
失敗する確率は低くできるはず。
私も転職を何度かしていますので、そうした経験をもとに書き記しておこうと思います。
企業の40代転職希望者に求める能力
企業が40代転職者に求める能力は主に以下の3つと言われています。
専門知識・専門スキル
企業が40代転職者を採用するときの決め手となるのはなんといっても「即戦力」かどうかでしょう。
新卒者には技術や知識を一から教える必要がありますが、40代はこれまでの経験からすぐに業務に対応できる人材を求めていると言えるでしょう。
教える手間がなくすぐに会社の助けとなれるかがポイントになります。
40代の転職はポテンシャルではなくマッチングだと思います。
企業に潜在能力を見初めてもらうのは20代まででしょう。
企業が求めるものが自分にあるのか、自分の求めるものが企業にあるのかをマッチングしているかを見極めましょう。
マネージメント能力
これまでの経験から高い専門スキルを持つ40代は若手へのティーチングであったり、仕事に対する理解度・適応力も企業が期待している能力です。
20代の社員にはない状況判断はチームを適切に管理するのにも向いています。
「リーダーシップ」や「マネージメント能力」のある人材はどこの企業でも求められ、重宝されます。
リーダーシップやマネージメント能力のスキルがない人は、より専門的な技術スキルを磨いたり20代のようなフットワークの軽い行動力など別の面を売りにして補うといいでしょう。
くれぐれもやってこなかったことをやってきたとウソをつくのは止めましょう。
会社に入ればすぐにバレるし評価も下がるしでいいことなしです。
できないことはできないと正直に言って他の部分をアピールしましょう。
高いコミュニケーション能力
40代に限った話ではありませんが、仕事をすすめる上で「円滑なコミュニケーション」は重要なスキルになります。
20代の若手や上司とのやり取りもコミュニケーションスキルが高ければ仕事をスムーズに進めることができます。
今はパワハラ、セクハラ、モラハラだのたくさんのハラスメントが横行している時代です。
こんな中でも、コミュニケーション能力が高いと、そうしたハラスメントを回避することもできるでしょう。
もちろん取引先との商談においても40代では柔軟に対応できることが求められます。
ジョージアのCMではないですが、後輩を連れて同行することもあるでしょう。
商談中に、予期せぬ出来事が起きた時のとっさの対応力は経験がものをいいます。
40代で転職が成功する人・失敗する人
40代転職に成功する人の特徴
自己分析が出来ている人
これまでの自分の経験から「自分ができること」「自分ができないこと」がわかっていると、自分の強みを明確にでき、企業にもアピールしやすくなります。
これは新卒者には出来ない自己分析です。
また、これまでの仕事の経験でいくつもの選択をしてきたと思います。
その中で「これは成功だった」「これは失敗だった」などの体験談を持っているとそれも強みに出来ると思います。
企業は40代の転職希望者のこれまでの経験で、どのような状況でどんな判断をし、どう対応したのかを知りたがっています。
企業の求めている人物像にマッチしていれば採用のチャンスが広がるでしょう。
転職理由に自責の視野が含まれている人
会社を辞める理由でよく聞かれるのが今の会社への不満ですが、自責の視野をうまく取り入れる人は面接でも好印象が得られます。
例えば「会社のプロジェクトで納期が遅れて取引先に迷惑をかけることがあった」というエピソードを話すとき、「上司の対応が悪くて」と言うより「私がもっとこうすべきでした」という自責の視野を取り入れるのです。
面接官には「この人はトラブルに遭遇してもしっかり反省して次に活かしてくれる人材だ」という印象を与えてくれるでしょう。
不満しか言わない人は転職後も不満ばかり言う人だという印象を与えてしまい、採用も敬遠されてしまいます。
年収や肩書にとらわれず、学習して成長していく意欲がある人
転職したあとの年収や肩書を気にする人は多いですが、それよりも転職先での成長を欲する人は成功しやすいです。
当然ながら今の会社と転職先では仕事の仕方や評価基準が異なります。
それらを柔軟に吸収して学習することで成長への糧とするのです。
焦らなくても年収や肩書は成果に応じて付いてきます。
まずは転職先でどのように自分が成長するべきかをイメージして仕事に取り組みましょう。
40代転職に失敗する人の特徴
40代で転職に失敗する人の特徴は、どれも40代でぶつかりやすい問題に起因しています。長く会社員生活を続けてきたことは大きな強みではあるのですが、捉え方によっては転職への足かせになってしまう場合があります。経験が長いからこその自信やプライドが必要以上に高くなっていませんか?
前の職場より待遇が良くて当然だと思っていませんか?そうした思い込みは失敗を招きやすいので注意が必要です。
転職の理由が「お金」または「役職」の人
転職の理由が「前職での年収が希望する額ではなくて、、、」「希望する役職につけてもらえなくて」という人でほぼ採用される人はいないでしょう。本来年収や役職は仕事の成果に応じて支払われるものです。失敗する人の傾向として、求めるものが先行している事が挙げられます。前職での収入や役職は前職で得られたもので、転職先で求めるには転職先での成果が前提になります。面接ではすぐに年収やポストを求めるのではなく「成果に応じて年収や役職をアサインしてほしい」と交渉するべきでしょう。
焦りから転職を決めてしまう人
会社に在籍して長くなると「このままで本当にいいのか」という気持ちが芽生えてきます。そこに40代で抱える事が多い問題、教育費やローンのことを考えると「一刻も早く会社を辞めて転職しなければ」との焦りが出てきます。特に新卒から同じ会社で勤めてきて1つの職場しか経験してきていない人は40代に入って突然このような焦りが生じやすいです。今の会社から逃げたいあまり自分がそれほどやりたくもない職場を転職先として決めてしまうのです。そして入ってから「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまいます。
知人の話ですが、43歳で未経験の職種に転職した男性がいます。未経験のため年収は前職よりも低めで立場も平社員の扱いです。職場でも少々浮いた存在になってしまって居心地の悪さを感じているようです。この知人の場合は明らかに転職しなければよかったケースでしょう。転職すればすべてが好転するというのは幻想です。転職したらどういった未来になるのか冷静に判断し、相応の覚悟を持って活動に臨むべきでしょう。本当に転職すべきなのかどうか熟考してください。
プライドが高い人
40代で転職すれば、転職先で年下の上司の元で働くことは少なくありません。そこで「年下の言うことなど聞けない」と敵対した態度をとったり、指示に従わなかったりすると扱いづらい人間として仕事が振られなくなってしまいます。年令に関係なく上司であるという意識と自分の置かれている立場を理解し柔軟に対応すれば職場での仕事も円滑に進められるでしょう。転職先に入れば、初めは自分の知らないことばかりです。不明点はどんどん聞いて少しでも早く会社に順応していきましょう。40代では周りの人間の半分は自分より年下です。年下の社員にも謙虚に話を聞けると仕事もやりやすくなります。
まとめ
冒頭でも述べたとおり、40代での転職は難しいことは疑いの余地はありません。
しかし、40代の転職がアリかナシかを問われれば、アリと言えるでしょう。
昨今の転職サイトの多さが物語っています。
しかもミドルの転職は昔ほど難しいものではありません。
ストレスの貯まる職場に我慢して努めてもあまり良いことはありません。
40代の市場をリサーチした上で自分がこれだと思う企業があったなら思い切って応募してみることは全く問題ないでしょう(応募するだけならノーリスクです)。
その際には自己分析と企業へのリサーチを徹底的に行い、転職後の自分の姿がイメージできるようにしましょう。
希望と現実のギャップを最小限に抑えることが成功への鍵となります。