浦和レッズがACL優勝できない原因を2020年戦績結果から考察

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(出典:Jリーグ公式サイト

 

 

2020年12月19日(土)、明治安田生命J1リーグの第34節(最終節)が各地で行われた。

 

浦和レッズはホームでコンサドーレ札幌と対戦、0−2で敗戦を喫した。

 

これで最終順位は18チーム中10位と中位の位置と平凡な成績に終わった。

 

浦和レッズといえばAsiaChampionsLeagueを2度制覇し、アジア王者の栄冠にも輝いたJリーグでも有数の名門チームである。
(※JリーグのチームでACLを2回制覇したのは浦和レッズのみ)

 

Jリーグでも常に上位でフィニッシュしていた強豪チームだったが、近年は成績が落ち込んでいる。

2019年はあわやJ2リーグ降格かと思われる順位(14位)で終えてしまった。

浦和レッズはなぜ勝てなくなってしまったのか?

2020年の試合結果からその要因を探っていくことにする。

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浦和レッズの2020年シーズンの陣容

例年では珍しく早くに陣容が固まったシーズンだった。

2019年の最終節の直後に大槻毅監督の続投が決まり、新加入選手も2019年内にほぼ固まっていた。

(トーマス・デン選手のみが2020年1月に加入発表された)

ACLでは決勝に行った2019シーズンだったが、リーグでの順位は14位でありとても好成績とはいえない。

そんな中での早い監督続投の決断は少々意外に思われた。

個人的には2019年の途中にオリヴェイラ監督から引き継いだもののチームは上昇気流には乗らなかったので一抹の不安はあった。
しかし、ACLで決勝まで行った功績を考えるとチームも大槻監督を切るに切れなかったのだろう。

ACLはアジアの各リーグチームとの対戦なので浦和レッズとの対戦が初めてのチームもあった。そんな中で浦和レッズの守ってカウンター戦術がうまくハマったとも言える。Jリーグのチームは何度も対戦しているため浦和レッズのウィークポイントを熟知しており各チームがそこを突いてきた。

これが2019年にACLの成績は良いが、Jリーグで勝てない「外弁慶」浦和レッズの真相と考える。

キープレイヤーが加入、期待が高かった今季

DFトーマス・デン(オーストラリア・メルボルン/完全移籍)

MF伊藤涼太郎(大分/レンタル復帰)

MF武田英寿(青森山田高校/新加入)

FWレオナルド(新潟/完全移籍)

守備と攻撃の両方でキープレイヤーになれる選手を補強し、スキのない補強だったのではと分析するが、結果は思うように振るわず。退団した選手も複数名いたが成績に大きな影響を与えるようなプレイヤーはいなかった。

では結果が振るわなかった原因は何だったのか?

浦和レッズの2020年シーズンの成績

今季は新型コロナウィルスの影響で開幕後に一時中断して再び再開するなど通常の日程ではない日程で行われた。チームによっては過密日程の週があったり大きく試合感覚が空いてしまうチームもあり、コンディション調整に苦労させられた。また、今季は降格チームが出ないレギュレーションである。

個人的にはこの「降格がないシーズン」だったことも低迷の原因であると考えている。
浦和レッズに限ったことではないが、J2降格がなく、来シーズンもJ1で戦えるということはシーズン終盤は多くのチームにとってはただの消化試合にしかならない。そこには絶対にJ1に残留するという気概も必死さも必要ない。浦和レッズの選手たちも無意識にそういったヌルい雰囲気に飲まれてしまったのではなかろうか。

2019年の成績との比較

2019年 14位 9勝10分15敗 得点34 失点50 得失点差−16

2020年 10位 13勝7分14敗 得点43 失点56 得失点差−13

こうしてみると、勝ち点と順位、得点は昨季よりも上がったが、失点は昨季よりも増えている。

なぜ失点が増えた?

浦和レッズは昨季とはディフェンスの仕方を変えている。昨季まではマンツーマンディフェンスを主体としていたが、今季はゾーンディフェンスを採用している。

マンツーマンディフェンスのメリット

マンツーマンは文字通り人に付くディフェンスなので基本的に相手に自由にプレーさせないディフェンス。相手選手にプレッシャーを掛けることでボールを奪いやすくなってカウンターを仕掛けられる。また、自陣ゴールに相手を近づけさせないため失点の機会が減る傾向ある。

マンツーマンディフェンスのデメリット

動いている相手をマークするディフェンスなので、スタミナを多く消耗する。

スタミナを消耗するとマークがずれてスペースが出来、そのスペースにボールを入れられると一気にピンチになるため、ペース配分が重要になってくる。

ゾーンディフェンスのメリット

人に付くのではなく、味方に連動してディフェンスを行うため、スタミナを温存できる。

相手に付かないので守備の陣形が崩れにくくスペースができにくい。

そのため、一人味方が抜かれてもフォローしやすい。

ゾーンディフェンスのデメリット

高度な戦術理解が必要で、育成年代から指導がされてないと採用が難しい。

味方との高度な連携が必要で様々なディフェンスシーンでの約束事も厳密に守らなければならない。

ゾーンとゾーンの境目での守備が曖昧になりやすく綻びが大きくなると一気に大量失点のリスクが有る。

実際、今季の浦和レッズが1試合で大量失点する試合が多かった(6失点が2回、4失点が2回、3失点が4回)。

浦和レッズはなぜ勝てないのか?

大きく分けて3つ。

・ゾーンディフェンス採用による失点の増加

・センターバックからのビルドアップが少ない

・興梠、レオナルド頼みの攻撃

失点増加の項目は先にのゾーンディフェンスの話で述べたので残り2つを見ていく

センターバックからのビルドアップが少ない

センターバックとはゴール前を固めるDFだが、そこからのボール運びがなかった試合が多い。

センターバックがボールを運ばないと相手はセンターバックのパスの出し先を消しに来る。

サイドバックやボランチのパスコースを消されるとボールを前に運べないためフォワードの選手が

中盤まで降りてきてボールを受けなくてなならず、なかなか相手ゴール前までたどり着くことが出来なかった。

つまり、得点のチャンスが減ってしまうことになる。

興梠、レオナルド頼みの攻撃

今季の得点者を見てみると

レオナルド:11点

興梠慎三:10点

マルティノス:4点

その他6名:2点

その他:5名:1点

となっており、2桁得点をしているのは2名のみ。この2人でチームの得点の半分を取っていることになる。この2人は素晴らしいが、この2人が点を取れないときに変わりに得点できるプレイヤーがもう少し欲しかった。もし新加入のレオナルドがいなかったら、昨季よりも得点数は減っていてもう少し順位は下だっただろう。

興梠は来季35歳になりベテランの域に達している。その他にも30代の選手が多く平均年齢は28.54歳になる。これはJリーグでも高い部類に入り選手の高齢化が進んでいる。ここに挙げた勝てない理由は戦術的な理由だが、選手の高齢化は潜在的なリスクとしてここ数年持ち続けている欠点でもある。

選手の新陳代謝(世代交代)も同時に進めていくべき課題だろう。

まとめ

今季の浦和レッズの成績からなぜ浦和レッズが勝てないのか、その原因を探ってきた。

もともとチームは2020〜2022年を「3年計画」と位置づけ、目先の順位にこだわらず長期的な視点で上位を目指す計画を行っていく模様であるため、今季の結果についてはまずまずといったところだろうか。

・ゾーンディフェンス採用による失点の増加

・センターバックからのビルドアップが少ない

・興梠、レオナルド頼みの攻撃

しかし、上記のうち上2つは早急に改善しなければ、来季も厳しい戦いを強いられることになるだろう。

個人的には難易度の高いゾーンディフェンスを捨ててやり慣れたマンツーマンディフェンスにするのがいいと思う。しかし、体力の消耗が激しいマンツーマンディフェンスは高齢化したチームには諸刃の剣になるだろう。だからこそもっと若手を多用して世代交代を加速させたほうがいい。例え2021年の戦績が2020年よりも振るわなかったとしても。

今季指揮をとった大槻毅監督は辞任して来季からは新しい監督「リカルド・ロドリゲス」が指揮をとることになった。

ロドリゲス監督が上記原因にどのようにアプローチしていくのか、その成否によって来季の順位は決まってくるだろう。

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