林原めぐみは綾波レイを演じる前から、声優界を引っ張ってきたレジェンドです。
なぜなら「声優=アニメや洋画に声をあてる人」とされる概念を覆し、1990年代を中心とした第3次声優ブームの立役者だからです。
ローティーンからハイティーンの活発な女の子役から落ち着いた大人の女性役、はたまた少年役に可愛い動物役までその声質で幅広い役柄を担当しています。
本人も自身のことをキャラが降りてくる「イタコ声優」と称しています。
最近ファンになられた方は昔の作品や経歴については知らない人が多いでしょう。
声優の他にも
ラジオパーソナリティ
作詞家
エッセイスト
ここでは林原めぐみの声優歴と代表作を紹介していきます。
声優 林原めぐみのプロフィール
名前:林原 めぐみ(はやしばら めぐみ)
生年月日:1967年3月30日
年齢:53歳(2021年1月執筆現在)
出身地:東京都
血液型:O型
身長:156cm
所属:ウッドパークオフィス
声優 林原めぐみのデビューはエキストラキャラ
1986年に「めぞん一刻」の第1話、幼稚園児B・近所の女役でデビューしました。
このときは看護学校と声優養成所に在籍中ということでまだ勉強中の身だったようです。
ここから数多くのエキストラキャラを演じて実力をつけていったんですね。
声優 林原めぐみってどんな人?
真面目な性格の持ち主
本人の人気とは裏腹に「声優は人前に立つのではなく裏方に徹するべき」という考えを持っています。
声優を面白おかしく取り上げるメディアには否定的で、「声優として自身が伝えられること」を伝えられるトーク番組などには喜んで出演するスタンスです。
一例として「徹子の部屋」には真面目に声優という職業を伝えられる番組として出演を切望して2年越しに出演を果たしました。
明るく前向きな性格でも知られる林原さん、目立ちたがり屋なのかと思いきやむしろ露出は好まない性格とは意外でしたね。
声優という職業に強いプライドを持っていることがよく伝わってきます。
アニメグランプリ 最多受賞者
アニメ雑誌「アニメージュ」が主催する日本のアニメーション作品に対する賞である「アニメグランプリ」。
1979年に設立された歴史あるイベントで林原めぐみさんは声優部門1位を12回受賞しています。
(42回に及ぶ同賞1位を12回も受賞した人は林原めぐみさんしかいません)
2002年以降、結婚や出産のために仕事を控え、若手が台頭している今でも上位を維持し続けており、その人気はまだまだ衰えていません。
家庭の都合もあり、以前のような最前線での活躍はあまり見られなくなりましたが、「灰原哀」や「綾波レイ」など多くのファンを持つ役柄での存在感は今も健在です。
声優 林原めぐみが声優になったきっかけ
小学生の時に「宇宙戦艦ヤマト」の劇場版を鑑賞し、キャラクターに声を当てる「声優」という職業に興味を持ちます。
高校卒業後の進路は声優と思いきや、父親が病気で倒れたことをきっかけに国家資格を取得して看護師になることを目指しました。
しかし、願書を提出しにいった看護学校の受付の人に冷たい対応を取られてブチッとキレてしまい、
ヤケになって受験期に「無料で養成する」という声優養成所の広告のオーディションに応募。
結果的に600人にのぼるオーディションに見事合格します。
両親からは「声優を目指すなら看護学校を卒業して看護師免許を取得しなさい」と言われ、1985年からの3年間は看護学校と声優養成所を両立させて看護師免許も取得したそう。
もしも、看護学校の受付の人が冷たくなかったらそのまま看護師になっていたかもしれないんですね。
そう考えると受付の人には感謝しないといけませんね(笑)
声優 林原めぐみはなぜ人気ものになった?
一言でいうとマルチに活躍する声優の元祖だからでしょう。
それまでの声優はアニメや洋画の吹き替えなど声以外でメディアに露出する機会は殆どありませんでした。
林原さんが「ラジオパーソナリティ」や「歌手活動(CDリリース)」「声優雑誌への露出」などを行うことで、声優=映像にアテレコする人というイメージを覆しました。
林原さん本人にファンがつくようになり、出演する作品も林原さんの人気に比例して人気を博しました。作品が人気になるなら制作側も喜んで林原さんを起用するというワケですね。
今でさえ珍しくない声優のメディアへの露出ですが、その道は林原さんが開拓したといってもいいでしょう。
活躍こそ90年代がメインとされていますが、当時からの根強いファンが今も林原さんを欲しており出演する作品に注目が集まっています。
エヴァンゲリオンの綾波レイも林原めぐみさんが演じなかったらここまで注目されなかったかもしれません。
声優 林原めぐみの代表作
たくさんの作品に出演している林原めぐみさんですが、特に個人的に印象が強い5作品を紹介します。
魔神英雄伝ワタル 忍部ヒミコ
(出典:NinjaPicks)
1988年に放送された「魔神英雄伝ワタル」で林原めぐみさんが初めて演じたメインキャラクターが
「忍部ヒミコ」です。
天真爛漫な性格で怖いもの知らず。ワタルが戦う敵をおちょくりまくり、物語の騒動の中心に常にいるキャラクターです。
林原さんの記念すべきメインキャラは7歳の子どもでした。
ハイキーな声とハイテンションなヒミコがぴったりハマってましたね。
ワタルの第1話のアフレコは看護学校の卒業式とちょうど重なってしまい、新人ながら抜き撮りでの参加になったといいます。
ワタル役の「田中真弓」さんからは「このド新人め〜」とからかわれたそうです。
らんま1/2 早乙女らんま(女らんま)
(出典:ranma.fandom.com)
1989年に放送された「らんま1/2」に女らんま役で出演しました。
主人公の「早乙女乱馬」は、中国に修行に行った際に「娘溺泉」に落ちたことで、水をかぶると女になり、湯をかぶると男に戻る体質となってしまいます。
男の「乱馬」を山口勝平さん、女の「らんま」を林原めぐみさんが演じています。
林原さんは体は女なのに心は男という難しい役を演じましたが、
「かわいい声、りりしい声、ドスの効いた低い声、ぶりっ子する声、らんまだけでいろんな声が聞ける」
とファンにも好評です。
スレイヤーズ リナ・インバーズ
(出典:eiga.com)
1995年に放送された「スレイヤーズ」のリナ・インバース役で出演しました。
自称「美少女魔道士」のリナが世界を旅するファンタジー小説のアニメ版です。
自由気ままで自分勝手な主人公リナを林原さんも負けないくらいアドリブをふんだんに入れて演じています。
林原さんは本作でオープニングテーマとエンディングテーマも担当しており本格的に歌手としての活動も始まったターニングポイントとなった作品ですね。
スレイヤーズはこの後もシリーズ化されて映画やOVAでも人気を博しました。
名探偵コナン 灰原哀
1999年に放送が開始された「名探偵コナン」の灰原哀役を演じました。
コナンと同様に幼児化していて実年齢は18歳。外見が子どもなので子どもらしく話したり振る舞ったりするのかと思いきやほとんど素の18歳として話をします。
「で?」「それで?」など少々冷めたような発言と辛辣な発言が過激さを増して大人をタジタジにさせることもしばしば。
(たまーにぶりっ子な子どもを演じるときもあります)
あまり多くを語らずクールな灰原哀はどこか綾波レイに似た雰囲気を持っていますね。
綾波レイを演じた林原さんが演じると灰原哀とダブる感覚もあります。
新世紀エヴァンゲリオン 綾波レイ
(出典:amazon.co.jp)
「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイ役は声優林原めぐみにとって新しい挑戦のようにも見えました。
なぜなら、林原さんがこれまでメインで演じてきた役柄とは大きくかけ離れていたからです。
無口で感情表現がほとんどない綾波レイは林原さんにとっても新境地でだったでしょう。
監督の庵野秀明は過去の林原さんの作品を観て「綾波レイはこの人にやってもらおう」と決めたそうです。
林原さんは葛城ミサトや惣流・アスカ・ラングレー役もオーディションを受けてますが、庵野さんの意向もあり綾波レイ役に決まりました。
林原さんは当時のアフレコについてこう振り返っています。
「エヴァンゲリオン」という作品は本当にハードでしたね。演者として言わば「えぐられていく」作業だったし、アフレコ現場も和気あいあいと楽しく収録するという雰囲気よりはえもいわれぬ緊張感があって。 (BSプレミアム アニメ「龍の歯医者」キャスト&スタッフインタビューにて)
林原さん自身もエヴァンゲリオンという作品が醸し出すただならぬ緊張感を肌で感じていたんですね。
経験の浅い声優さんだったらチビってますね、、、
まとめ
声優の林原めぐみさんを紹介させていただきました。
長年声優界で活躍してきたレジェンド声優さんで、アニメグランプリ声優部門で12回1位を受賞しています。
マルチメディアで活躍する声優の元祖で歌手やラジオ、テレビ出演などを本人名義でこなした第一人者です。
綾波レイ以外にも名探偵コナン「灰原哀」やスレイヤーズ「リナ」など人気作品にも多数出演。
2021年、新劇場版エヴァシリーズの完結編として「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」が公開予定です。
林原さんもレイ役としてもちろん出演されています。 今から公開が楽しみですね。
これからも息の長い声優としての活躍を期待したい声優さんです。